【熱血フォアハンド塾】なぜフォアハンドはイップスになるのか?

「振り切れねぇ…」
「前に振るのが怖い…」
「入る気がしない…」

これらの感情がボールを打つ前、ボールが自分に向かってくる最中、そもそもコートの上に立った瞬間から自分を支配する事がしばしばあります。

この負の感情に右往左往する以前は、もっと自由にテニスを楽しんでいたのにも関わらず、なぜ今自分はこんなに苦しみながらテニスをしなければならないのだろうか?ボク自身もある時からフォアハンドに悩むようになり、負の感情が頭から離れない日々が続きました。

それこそボクは15年以上悩み続けています。

ですが近年はその苦しい思いを以前よりはしなくなっています。

そもそも私達は何故フォアハンドがイップスになるのでしょうか?その理由と、どのようにしてイップスになるのかを綴ります。

イップスとは?

イップスは様々な分野の方が原因を研究しています。

しかし、どんな話を聞いても納得出来るような回答は見たことありませんでしたが、百獣の王で有名な【武井壮さん】のイップスについて解説したYoutubeの動画が一番腑に落ちました。

彼の解説で「普段無意識で出来る事でも、緊張した局面で意識してやらなければならない時に誤作動が起きる。みんな自分の体を自在に動かす能力が発達する前に技術練習をしてしまうから、緊張すると出来なくなるんだ」と説明していました。

つまりは「みんな正しい動作が頭で分かっていても、それ通りに体を動かせないから出来ない」という事がイップスの原因なのです。

それでも正しい動きが分かってなければ入る訳もありませんので、技術力と肉体コントロールの二つが無いと恐怖に支配されてしまうのです。

振り切れなくなるまで

テニスが楽しくて楽しくて仕方が無い時期は誰にでもあります。それこそ毎日何時間でもボールを打ち続けていたいと思うものです。その時期にあるプレイヤーは全てのボールを全力で打ち、どんなにミスしようが楽しそうにプレイします。最高の時間の一つです。

しかしこれをボクは「無邪気が故の蛮勇」と呼びます。

そう。生まれたまま状態でテニスがいかに難しいスポーツかを知らずにプレイするのです。可愛いもんですよ。

しかし無邪気な人々もいずれ気がつきます。テニスはそんな甘いもんでは無いと。

そんなテニスの厳しさに気がついた人間は以下の過程を辿ります。

1)初心者でテニスを始めて楽しくてしょうがない時期
2)中級者になりテニスの技術が増える
3)試合に出るようになり振り切れなくなる
4)振り切れなくなる状況にパニックを起こす
5)振り切れなかった記憶の影響で通常時でも振り切れなくなる

こんなプロセスを辿って振り切れなくなります。

逆にトッププロは何故自分が上手く打てるのか分からなかったりします。
錦織選手はジュニアにどうやってフォアハンド打ってますか?という質問に対して、「前に振るだけ」と発言していたのはいい例です。

でも一般プレイヤーは違います。
ある意味、悩み苦しむ事がスタートラインなのです。

振り切る為には

さぁ今あなたはやっとスタートラインに立ちました。
悩まずに前進など無いのです。

恐怖を乗り越えるには圧倒的技術力です。

どんな巨大な恐怖に支配されていたとしても、自分の中で決めたルーティーンを信じて徹底して行う。
それでしか恐怖を乗り越えられません。

これをすれば大丈夫という技術、ある意味哲学であり信仰のようなルーティンワークに対して、自身の体を正確に動かし続ける先にプレッシャーや恐怖を跳ね除けるフォアハンドが生まれるのです。

まとめ

個人的な意見ですが、悩みの無いテニスに美しさはありませんよ。

悩みながら、恐怖を抑え込みながら振るフォアハンドは美しいのです。
ボクはそんな人を見ると抱きしめたくなります。

むしろ悩みが無い人間のフォアハンドは二つに一つです。
本当に素晴らしいフォアハンドか、ミスしまくりの蛮勇のフォアハンドです。

プレッシャーを感じながらも、振り切れるかどうか自分を疑う事もあるけれど振り切る事が出来た時の充実感は何物にも変え難い達成感があるのです。

振り切るフォアハンドを打たずに代替え策、例えばスライスで乗り切る事も必要な技術ではあります。

でも、それでも、苦しいけれど振り切る事は自分に打ち勝つ為に必要な事なのです。

そっちの方がテニスはより楽しいはずです。

試合に負けても自分に勝つ事の方が時として大事だと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました